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読了めも_白い巨塔 5

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)
(2002/11)
山崎 豊子

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2011/1/12-

ようやく最終巻。


-2011/1/14

ドラマを見ながら、この財前君というひとはずいぶんあっさり亡くなっちゃうんだなと思ったら原作でも唐突に伏線が発生してあっさり亡くなってしまったので少々驚いた。とはいえ時代背景を思うとこのハイスピードの亡くなり方は妥当といえば妥当か。

作中でケイ子も言っていたけれど財前君は里見先生には勝てない、そう思う。自分の信念に忠実に生きていくということが、現実社会においてどれだけ難しいことか。世間を知らない中高生くらいの頃なら里見先生のような生きていこうと決意するのかもしれないけど今となってはそうなり得ない(難しい)ことが分かっているが故に財前君という人に共感している部分が多かったりする。どんなに虚勢を張ってみても、母への送金時には心があたたかくなるとか、野望を持ちつつ弱い心も持つ等、共感というか人間味を感じてしまうんだよなー。最も自分はあんなに壮大な野望は持ち合わせていないんだけど。
全編を通して思うのはやはり財前君はかわいそうな人だったということ。権力・私利私欲にまみれた環境で彼の死を心から悼んだ人はどれだけいることか。(そういう意味ではフジのドラマはかなり人間関係については脚色が強かったなと思う。特に舅・嫁のあたり)ラストの方で人間的に一番信頼しているのは里見先生・最も愛しているのはケイ子という箇所に、複雑な意味で泣けた。

医療裁判って本当に難しい問題だと思う。誰かの死という事実が絡んでしまうとどうしても色々考えてしまうところがあるだろうし。自分が母を亡くした時も、自分が精神的に落ち着いてから一度だけ病院側が「技術的な意味で」最善を尽くしてくれたのだろうかということを考えたことがある。患者の家族という立場では、病院側の施術について技術的な意味で本当に適切かつ最善だったのかどうかを知るすべはほとんどない。けれどお医者さまはもちろん看護婦さん(今は看護「婦」さんではないのだっけ)もとても親切に対応してくれたことは印象に残っており、だからこそ信頼もできる。そういうことなんだろうと思う。

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